巻子本(紙本墨書) 「拝啓其後愈御清祥奉恭賀候、爰許別段無異条御安禳可被成候、先般貴地滞留中ハ色々御配慮頂多謝候 ○工兵方も追々築造取懸之趣此節者余程相進候と奉察候、猶此迄御甚力可被下候、ブーヒへ住宅出来上り候哉可然御恒念可被下候、御隊預備小銃弐十挺御廻し可申上様御約束申上候処、立帰候上五稜郭預備銃相改候処、諸方へ相送せ今者残少ニ而御廻し申上兼候、尤迚預備銃無之候而者、眼前山口支御義ニ御坐候間、急速御神策小銃二十挺分之代金、但壱挺ニ付代金拾三両位、五稜郭へ御廻し被相成、箱館ニ而直ニ買上、御方と奉存候間、右金子速ニ御廻し可被成候、さも無之而者急速弁之不申候間、呉々も御工夫第一ニ被存候、右申上度如此御坐候 余々 頓首 三月二十二日 圭介 四郎次良様 雅之進様」（工兵隊が築造しているものについての進み具合、フランス人ブッフィエの住宅の件、五稜郭にある銃の移送の件などが書かれています。）